「ブシドー」から理想のトレランシューズを再考する
「武士道」いや「ブシドー」
ネーミングセンスがかなり独特なマウンテン用品メーカー「La Sportiva」
日本では「スポルティバ」と呼ばれることが多いですね。
スポルティバのトレランシューズ「Bushido(ブシドー)」が実家から発掘されたので、久々に使ってみる共に自分にとっての理想のトレランシューズを改めて考えてみたいと思います。
この記事は
La Sportivaのトレランシューズ「Bushido」のレビューと、トレランシューズに対する考え方をまとめています。
スポルティバのシューズ購入を考えている方の参考に、そしてこれからトレランに本格的に参戦するにあたり装備をどうしたら良いか考えている方へのちょっとしたヒントになれば幸いです。
スポルティバ
https://www.sportivajapan.com/
イタリアンメーカーで、何でも本社は美しい景観で有名な「ドロミテ」山岳地域にあるそうです。当然、古くからマウンテン産業が発達するわけで、そのクラフトマンシップが受け継がれたのがこのスポルティバ。
会社ロゴのカラー「黄色と黒(元気の印?)」を採用した製品が多いですが、カラーバリエーションが多いのもこの会社の特徴の一つ。
一つのモデルに普通2カラー展開。男女共通。みたいな会社も多いのに、
3カラー展開しかも男女別(全部で5カラー展開)とかぶちかましてきます。しかも、全部良い色だったりするんだなぁ…🙄
物良し、デザイン良し、ネーミング微妙(笑)
という私が勝手に持つイタリアンブランドの特徴王道を行くメーカー😅(ロードバイクのホイールブランド「カンパニョーロ」とかもそうですよね?「ゾンダ」ってなんだよ(笑)いや、風の名前ってのは知ってるんですけど、ホイールとしては妙な響き😉)
山岳関係の製品、本格登山靴、クライミングシューズ、そしてトレランシューズ等定評があり名作が次々生まれています。
個人的にデザインが本当に好きなシューズメーカーの一つ。ってか一番すきかも😊
ブシドー
だから、ネーミング😂
色とかデザインは、全然「武士」っぽくないですが(個人的に)最高!!
ちなみに、もう発売から5年とか経つモデルで後継の「ブシドー2」が出てます。好評だったんでしょうね。
ちなみにスポルティバは、結構一つのモデルを大切にするメーカーだと思っています。
どういうことかと言うと、毎年毎年新しいモデルを出しては、古いモデルを廃盤にする(で、大して進化してない😥)みたいなビジネスをするメーカーもあるわけです。
スポルティバは、割と出したモデルは何年にも渡り、大幅変更なしで販売し続けます。
「研究開発力がないので新モデルを出せない」のか「自信のある完成度の物しか出してないので、頻繁に出す必要がない」のかは定かではないものの、私は後者だと感じます。
で、ブシドーですね。
もう現役モデルでもないので詳細なレビューはしませんが、当時「(平坦道も)走れるトレランシューズ」的なPRで宣伝されていたと思います。
しかし当時の自分はトレラン始めたばかりでもあり、このシューズ正直良いとは思えませんでした。
型が欧米人的な「甲低」だったこと、そして踵を保護するプラスティックパーツがどうも踵にあたる感じが嫌、なによりクッション性が低いと感じたのです。
当時ロードマラソンでアディダスもブースト搭載モデルを履いて「何この?プニョっとしたクッション!」と感動していたこともあるかもしれません。
そして、この靴を履いて走ったミドルのトレランで脚を粉砕(腸脛靭帯炎)で数年間ランニングもできず、実家にしまいこんで忘れていたのが、このブシドーです。
しかし、時が経ち、今年トレラン3レースを「ナイキのロードランニングシューズ」「アディダスのトレッキングシューズ」「ワークマンのハイバウンス」と、振り返るとちょっと意味分かんないラインナップで走りました(笑)
そして「トレッキングシューズ」「ワークマン(ハイバウンス)」の二つは失敗(靴は悪くない。設定コースに採用した自分のせいです。明らかに選択した奴の失敗。)
結果として、今年のトレランは競技中に、本来無かったはずのダメージがのしかかり、イマイチ力を出し切れず終わりました😩
で、実家に帰ったら「ブシドー」発掘(本人すっかり忘れてて、母親から「なんか靴あるけど不要なら捨てるよ」と言われて思い出したのでした🤕)
で、近場のトレイルで履いたんですが、
「何これ凄い良い!」(笑)
と思っているわけです。
踵は少し気になるけど、長丁場でなければ全然違和感ないし、クッション性は低いのでそもそも長丁場には向かない感じはしますが。
足の操作性もよく、テクニカルな道もすいすい行ける。保護性能の高いプラパーツのお陰で足が守られる。
これ、トレランに良いですわ!(だってトレランシューズですからね!😂)
正直これ履いてたら、今年の大会入賞出来たんちゃうか(無理か…)と思えてしまうほどです。
この4年ほどで、靴下の厚さやインソール種類、靴紐の結び方で、フィット感を調整するノウハウが自分に貯まったというのも大きな要因ですね。当時はそういうのも無頓着でしたから。
一言でいうと、このブシドーは、トレランに必要な保護性能を備えて、足型は少し特殊(甲が低い)ものの幅はそんなに狭くない。クッション性はあまりないので、硬い地面を長く速く走るのには向かないものの、柔らか短か目トレイルのお供には文句のない一足です。
理想のトレランシューズとは
答えのない問い(人により異なる。というかコースや気候によっても異なる)ですが、敢えて言うと次の点でしょうか。
フィットする
これは第一優先。そりゃそうですよね、自分の足型に合わないと地獄ですよ。
これはアッパーの形状や素材により決まる部分が大きいと思います。
特に急な下りがあるトレランは指に少し「遊び」がある位が良いです。でないと、自分のようにつま先ゴッツンで爪がどす黒くなります😣
クッション性
これは難しいところです。
クッション性が高い方が「脚が残る」し楽な一方、操作性が下がるとも感じます。
現在ロードマラソンではナイキを始めとする「厚底」が我が世の春を謳歌しています。
「厚底にあらずんば、靴にあらず」😏
とナイキが言ったかどうかは定かではありませんが、エゲツナイクッション性反発性を備えたプレート入り厚底シューズをエリートランナーがこぞって採用しているのは、事実です。
しかし、障害物もなく、一定のリズムで「ストーン!ストーン!」と走るロードと違い、トレランは障害物競争的な要素があります。操作性や安定性との両立が求められるため、トレラン界に「厚底フィーバー」がやってくるかは正直微妙なところです。
Hokaoneoneとかは、これを好機とばかりに積極的なプロモーションをしてますし、ファンも多いのですが、ロードのように万人が万人極端な厚底を好むかは分かりません。
話がグルグル回りますが、でもクッション性の優位性はある程度確立してきたのではないでしょうか?
「Born to run」ではナイキ及び「クッション」こそランナーの仇敵と糾弾されたわけですが、悪いのはクッションではなく、クッションに頼り切った人類(のランニングフォーム)と言えると思います。
今後はクッション性をどこのメーカーも今以上に意識するようにはなるでしょう。
(そこそこの)防水性能
私は「汎用アウトドア靴」には防水性は必須と思ってますが、実はトレランシューズについては「あれば良い」というレベルの認識です。
距離が長ければ長いほど防水性はあった方が良いと思いますが、短い距離なら濡れても何とか押し切れるのと、靴の防水性能が高くても「ローカット」だと、もし足首より上から浸水してきた場合意味ないのと、「ハイカット」だと走りにくいという理由からです。
ただ、地面から5㎝位くらいの、要はちょっとした泥濘や水たまり程度はカバーできる位のちょい防水性(笑)はあった方が良いと思います。
やはり濡れてると快適性が失われるので。
良いアウトソール
いきなり抽象的ですみません😅
基本的にはそこそこ凹凸があり、グリップ性に優れたという意味なんですが、これが難しい。
土なのか、石なのか、草なのか…
ウェットなのか、ドライなのか…
トレランの面白い所兼やっかいな所は、一度に「様々な路面をこなさなくてはならない」ところです😥
メーカーは「これはオールラウンドモデル!」とか言ったりしますが、これは嘘(バランス型ということなんでしょうが)
結局、最適解は場面によって違うので、それに合わせたソールが良いということになります。
とりあえず「ツルツル(凹凸なし)のソールは×」「足裏からの突き上げを防御するだけの剛性が必要」という点は共通かと思います。
丈夫
つま先の保護パーツや、ちょっとやそっとでアッパーが破けたりしないような丈夫さも必要でしょう。
ただ、難しいのが、これを追求した物が「(本格)登山靴」です。
あれは丈夫です😳丈夫過ぎて、ソールがすり減ってくると、ソールを張り替えて使う(アッパーや全体はまだまだ使える)レベルですから。
しかし、重い。
重量と丈夫さのバランスというのはトレランシューズの永遠の課題と言えますね。
結論
という訳で、まだ私はこれらを全て満たすものとまだ出会えてません。
正直「彼方立てれば此方が立たぬ」的な要素もありますが、メーカーさん頑張って!
全ての要素を満たすのは無理そうですが、次にトレランで試したいのはスポルティバの「アカシャ」
だからネーミング!😅
これも最新というわけでなく、既に色々なランナーから好評を得ているモデルですが、バランスよさげです!
ちょっと高いけど、その価値ありそう。