ちょいマニアック!?トレイルランニング特有の単語を解説!
前回ちょっと分かりづらいランニング用語を紹介しましたが、ある意味もっとマニアックなトレラン業界。
こちらも独特の単語が飛び交う世界なので、自分が勘違いしていたり、知ってるようで知らなかった単語をご紹介。
この記事は
トレラン(トレイルランニング)に参加したい、始めたばかりと言った人が恐らく分からないであろう(でも結構重要な)単語を紹介しています。
トレラン関係の雑誌や記事を読んだりやベテラン勢との会話の際に役立つはずです。
獲得標高
コースを完走するのに、どれだけ垂直方向に移動するのか(登るのか)?を表す数字。
通常1500mなどメートル単位で表記します。
↑は先日参加したテイネオータムトレイルの16kmコース図。
このコースだと獲得標高は900m位。トレランとして完走難易度的には初級クラスですね。
初めの手稲山の登りで600m位、「A3」エイドの後の登りで200m位、後は細かい上り下りの「登り」を集めると100m位、で合計900m位です。
トレランは距離だけでは難易度が中々計れない競技で、獲得標高が500mの20kmコースより、獲得標高1500mの10kmコースの方が絶対「キツイ」です。
大体相場?は距離×0.05(20キロだと1000m位、50キロだと2500m位)だと思います。
また、全体としての「獲得標高」が同じでも、細かなアップダウンが続く方が、超級山脈みたいのを一つを越えるより走りやすい(ダメージが少ない)です。まあ、大きな山を越えるのが醍醐味でもあるんですが…
ガレ場
「がれば」
石がゴロゴロした道、地帯のことです。
基本日本のトレイルは柔らかい(土でフカフカ)と言われていますが、当然山によってはガレ場が続くこともあります。
全般に硬いのと、小石だと滑りやすいし、巨石だと走りづらいので慣れてないとリズムが崩れます。
ついでに「鎖場 くさりば」なんて単語もあります。
通常トレランコースではあまり出てきませんが、登山をしていると「鎖」がある道がありますが、ソレです。
鎖があるということはかなり危険な場所ですので、走るのはもってのほかです。慎重に進みましょう。
スイーパー
スイープというのはsweep(掃く、掃除する)です。
マインスイーパーというゲームがありますが、マイン(地雷)をスイープ(除去)するゲームということですね。
で、トレランにおいては、制限時間に合わせてレースの最後尾から進む係の人です。「回収係」と言っても良いかも。
動けなくなった参加者を救助したりする重要な役割です。
制限時間との兼ね合いで、スイーパーから何とか逃げ続ける(笑)という展開もあり得ます。鬼ごっこみたいですね。
逆にスイーパーと楽しくお話しながら進んだみたいな話もあります。
ロスト
「LOST」
カッコいいですが、要は道を間違うこと、見失うことです。
ここら辺がトレラン・登山の怖いところで、ヤヤコシイ道になっていることもあり、コース図や目印を確認しながら進む必要があります。山中の道間違いは場合によっては命に関わります。
という自分も先日一瞬ではありますが、大会中ロストしましたが😰
ストリーマー(流し)
ストリーム((ランナーの)流れ)を作るものってことですね。
形や色は色々ですが、正しいコースを指し示すものです。
簡単に言うと「目印」
大抵テープ状のもので、赤系統であることが普通ですが、「5kmコースは赤、20kmコースは黄色、50kmコースは紫」みたいに敢えて色分けされていたりもするので、参加要項をよく確認してください。
100マイラー
何となく和製英語っぽいですね😅多分そうなんでしょう。
意味は「100マイルレースを完走した人」です。
平地のマラソンにおいて距離的に一つの到達点が「フルマラソン」です。勿論100kmウルトラマラソンのように上には上があるんですが、多くの人は「フル完走」を目標にしますし、それが適うとフルマラソンのタイムを追い求める傾向にあります。
で、これがトレランの世界では「100マイル」ということになります。
というかトレランは平地における「10km」とか「ハーフ」とか、距離がきちんと定まっている物ではなく、大会毎に距離も標高も異なるのが普通ですが、唯一「100マイル」だけが、距離として定着しているというか一つの数字として成立している印象です。
しかし、100マイルって約170km弱です!😱
しかも獲得標高が8000mとかですので完走のハードルはフルマラソンの比ではないのですがね…
170km走りながら、その間富士山を三回登ると言えばイメージできるでしょうか…
欧米の人は距離をマイルで語ることが多いので、切りが良いので100マイルになったんでしょうね。
トレランが日本発祥で本場なら「100km」だったと思うのですが(笑)
100マイルのトレランともなると、トップ層でも20時間代前半、一般レベルの参加者は40時間以上のレースになります。
最早苦行の域ですね😅実際後半は幻覚を見たなんて人も多いです。
FKT
「Fastest Known Time」の略
「知られている中で、最速のタイム」ってことですね。
補足すると大会記録のようなものではなく、予め定められたコースを、好きな時に一人(又は少人数)で走って出した最速タイムです。「もしかしてもっと速い奴いるかもしれないけど、今判明している中では最速」ってニュアンスがありますね。
アメリカ発祥らしいですが、皆が集まって一斉にスタートするんじゃなくて、独りで走ってこんなタイム出たよ!ってのが、段々浸透していったらしいです。
日本ではあまり広まってなかったんですが、コロナ禍の中で大規模な大会がなくなり、寧ろ独りで走ることが推奨される風潮がある中、有力選手なんかが参加して一般的になった印象です。
タイム計測も各人に任せられるので、そこはズル無しで行きましょう。っていうか一位になっても賞金商品なんてないので、偽りの記録による名誉なんて得ても仕方ないでしょう。
Born To Run
トレランに関する本や映像は沢山あるので、紹介すると切りがないですが、これはある意味「バイブル」的なものなので。
クリストファー・マクデゥーガル氏の本。日本語訳もされてます。
ザックリな内容としては「人間には長時間走り続ける能力が備わっているが、余計なシューズや間違った走り方のせいでその能力が失われて故障が多発している。「走る民族」険しい山岳に生きるタラウマラ族の生活や走り方を通じて、人間のあるべき走り方を取り戻すお話」です。
これを読むと、トレイルが走りたくなるし、自分もどこまでも走り続けられる気がする不思議な一冊。トレランのみならずシティマラソン派の方も是非ご一読を。
この本が流行って、特にトレランを楽しむ人が増えたといわれています。
以下アイテム関係
必携品
意味はそのままですが「必ず携帯すべき物」です。
シティマラソンでは聞いたことないですが、ルールによって装備することが定められており、極端な話持ってないと失格になるものです。
トレランは要は高速山登りな訳で危険度や自己責任の割合がより高まります。
ゆえに、例えば防寒具や緊急ホイッスルや食料など主催者が必携品を指定することがあります。
「自分は無くても大丈夫」と思っても、ダメです。極端な話「とあるエイドを出るときに1リットル以上の水を持つこと」を求められた場合、エイドを出る際にチェックされるわけですが、出発した途端(不要な分の)水を捨てるという状況も起こったりするわけです。(これはルール上OK。何のためのルールかという議論はありますが)
もっともローカルな大会では荷物チェックがあることは稀ではあります。
しかし、トレイルは人間が人間のために作った空間ではなく、自然の空間であり、時に予期せぬ事態になることは常に頭に入れて、安全第一の装備で臨むべきです。
フラスク
別名「ソフトボトル」
平地ランやロードバイクではあまり見かけない装備の一つ。
ふにゃっとした素材でできたボトルです。
平地ランだと頻繁に給水所があるのでトップ選手はレースでボトルを持ち歩きません。
そして、ロードバイクはボトルホルダーがあり、寧ろ固いハード?ボトルの方が都合が良いです。
自己補給の必要性が高く、上下動が多い、トレランならではアイテムと言えるかもしれませんね。
ふにゃとしたボトルは空気を抜いてドリンクを入れておくと、飲んで中身が少なくなってもボトル自体が小さくなるのでチャポチャポ言いません。
また、不要になったら小さくして収納できます。
昨今、新しいトレランザックは大抵フラスク仕様になってます。
ビブラム
個別のブランドやアイテムは山ほどありますが…
「ビブラム」はイタリアのソールメーカーです。
ソールってのは、靴底です。ビブラムは特に山岳用のソールに定評があり、一つのブランドとなってます。
ビブラムの公式?靴としてビブラムファイブフィンガーがありますが、ビブラムはソール屋さんなので、他ブランドの靴でソールはビブラム製を採用なんてのがあります。
ちなみに「コンチネンタル」はタイヤメーカーですが、ソールも作っていて、同じジャーマンブランドのAdidasによく採用されていたります。
ゴアテックス
米国の「W. L. Gore & Associates 」社の製品GORE-TEX (繊維を採用した商品)
「ゴア」と略されることも。
ゴアテックスは「防水透湿」機能を持った素材で、アウトドアに最適なので様々な製品(ジャケット、靴等々)に採用されている。
ちなみに「防水透湿」というのは「水は通さない」けど「水蒸気は通す」という意味。
要は防水機能はあるけど蒸れにくいということ。
ちなみに、防水透湿の素材は「ゴア」以外にもあるが、ゴアは最も有名なので防水透湿の代名詞ともなっています。ゴア(搭載製品)は価格が結構高いのがたまに傷。
ワラーチ
要は「サンダル」です。
ワラーチというのは「Born To Run」に出てくるタラウマラ族が履いているサンダルのことで、彼らは廃タイヤを切り出して、それを紐で脚に固定して、時には山岳を100km以上移動するってんだから凄い。
この本の主張の一つに、クッション性ゆえに間違った走り方をしてしまうので、寧ろ履物はクッション性が無い方が良い。というものがあります。
時と場合によりますが、足を鍛えるという意味では確かに一理ある主張です。で、敢えてワラーチ(的なサンダル)で走る人がいるんですね。
ワラーチ専門店もあったりします。