速さはお金で買えるのか?ロードバイクの空力性能についての整理
カーボンホイール欲しい病が再発してますが、カーボンホイールを欲する理由の一つに空力(エアロ)性能があります。
カーボンはアルミに比べて全般的に軽いホイールになるので、重量抑えつつリム高を高くすることができます。
そして、それは空力性能の改善に繋がります。
「空気抵抗」は「速度」の二乗!で掛かってくるらしいので結果として高速走行時の出力がかなり違ってきます。
もう一段上のスピードを目指す方、エアロロードバイクを購入しようか迷っている方、今一度空力性能について考えてみませんか?
空気抵抗?んなもん感じないけどっていう人
普通のママチャリなんかではそうでしょう😉よっぽどの逆風でないかぎり。
実感としても(ほぼ無風とします)時速30km位までは「空気抵抗」はあまり感じません。その辺りから段々抵抗が出てきて時速40kmを超えてくるとかなり強く感じます。
時速40km以上になると上体を倒すいわゆる「エアロポジション」じゃないと脚を止めた途端時速30km位まで減速していきます。
具体的にどの程度の影響があるのか?
世界中で色々な実験が行われていますので、一つご紹介します。
10マイル(16キロくらい?)のコースを「普通のロードバイク&普通の装備(ヘルメットやジャージ)」と「エアロ機材のバイク&エアロ装備」で走った検証ですが、
普通バイク 時速37km タイム25:50 エアロバイク 時速43.5km タイム22:11
でした。乗り手は同じ(出力パワーはほぼ一緒)なので、機材と装備だけで17%位速くなったと言えます。
機材が違っちゃってるので、100%エアロ効果とは言えませんが、それでもかなりの部分がエアロ性能の差と考えて間違いないでしょう。
ちなみに、自分が持っているこの本
によるとイギリス自転車連盟のジョー・ビア氏の研究では40kmのタイムトライアルで装備をソコソコの物からエアロ性能が高い物にすると
フォーク 30秒 スキンスーツ 30~60秒 ホイール 60~90秒 ヘルメット 60~120秒 ハンドル(エアロバー有無) 45~60秒 シューズカバー有無 30秒
差が出るとのこと。つまり理論上、全部で最大390秒(6分30秒)の差となります。
先ほどの動画の検証が距離が半分以下(16km)でしたが、差が3分40秒ほど。色々と条件が異なりますが、方向性としては一致すると言ってよいのでは。
つまり速度はお金で買える!
ってことです。ただし、機材・装備の空力性能が最大限活きるのは、平坦な道を独走するケースです。
集団走なら、ドラフティングすりゃ空気抵抗は大幅に削減できますので、効果は薄れます。
また、相対的に速度が上がらないヒルクライムでは劇的な効果は期待できないかも。こちらは空力性能ではなく、軽量性が物をいう世界ですので。
また、エアロ機材・装備というと真っ先に思い浮かぶのが「ホイール」と「フレーム」です。要はバイク本体の大きなパーツですね。
しかし、実はあの細いロードバイクが生み出す抵抗はそこまで大きくなく、寧ろ「乗り手(人間)」が圧倒的に大きな空気抵抗を生み出しています(40km走行時だと8割以上だとか!)。
ゆえにイギリス自転車連盟の調査結果でも、スキンスーツやシューズカバーそしてヘルメットといった人間が着用する装備が大きな効果を生み出すことが明らかになっています。
エアロロードバイクを買いなおすのは50万円位しますが、人間の装備ならばかなり良い物を揃えても10万円でお釣りが来ます。実は、地味だけどこちらの方がコスパが圧倒的に良いエアロ対策なのです。
(ロードバイク屋さんに言ったら怒られるかもしれませんが…)