基本ルールを知ればロードレースは100倍楽しくなる!!

皆さんは、ロードレースって見たことありますか?もし、見たことがなければ、映像でも(ダイジェストでも)良いので、一度見てもらいたいです!(生で見ると迫力や現場の盛り上がりを体感できるので面白いのですが、選手(バイク)は自分の前をピュンっと一瞬で通り過ぎてしまうので、全体像は掴みづらいです(笑))

ただロードレースには、一般的な陸上競技(例えばマラソン)とは異なる要素が沢山あるので、それが頭に入っているかどうかで、この競技の楽しさが100倍変わってくる(はず)!

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ロードレースが100倍楽しくなる(かも)

ロードレース=自転車マラソン大会?

知らない人と話すとこういう認識の人が多いです。間違いではないのですが、30点位の回答ですか😖ちなみに、ロードレースを端的に表す表現として「ロードレース=マラソン+F1+チェス(!)」というものがありますので、以下それに基づいてお話していきます。

「マラソン」としてのロードレース

ロードレースは一日で(プロの場合)150kmから200km程度の距離を走ります。ランニングとは単純比較出来ませんが、フルマラソンの5倍の距離(さらにコースはアップダウンがあることが普通です)を高速で走行するので、選手には優れた「持久力」が求められます。(ラソンより「トレイルランニング」のコース設定に近いかもしれませんね。)

さらに、マラソンでは自分のペース(ピッチ)を刻んでいくことが凄く重要ですが、空気抵抗の影響が大きいロードレースでは「相手を先行させるか否か」が勝敗の分かれ目になることが多く、レース中も頻繁にペースが変わる削り合いが起きます。

「F1」としてのロードレース

いわゆる機材(の影響が大きい)スポーツという意味です。選手はロードバイクを使用しますが、バイクは同一のものが支給されるわけではありません。(大昔のツールでは同一機種が支給されていた時代もあったようですが)

各スポンサー企業などが、自分たちの最新機材を提供するのが普通であり、そこには少なからず性能差というものが出てきます。今年のツール覇者チームイネオスが昨年の機材で勝負してもやはり優勝するかもしれませんが、10年前の機材なら多分優勝できません。20年前の機材なら(フレームは良くてアルミ、下手するとクロモリですね)優勝は不可能です。

過去に、機材の差なんて大したことない的なことを言いましたが、それは、まだまだ自分自身を鍛える余地が大きい人(自分含めてです(笑))の場合であって、精鋭同士が数秒を奪い合うトップレベルのレースでは、「たった0コンマ数%」速い機材という時点で、果てしないアドバンテージがあるということです。

また性能云々は置いといて、高性能なバイクってカッコいい(というか美しい)んです(笑)買えないと分かっていても、カタログを見てウットリしてしまう自分がいます。

コースによっても機材を変えてくることもあり、今日はどんな機材で勝負するのかという点も気になってくると、俄然面白くなってきます。

「チェス」としてのロードレース

一番のポイントはこれです。そもそも一般的にチェスは頭脳ゲームであり、スポーツに分類されないのに。

例えばレースにおいて、1位がAチームのAさん、2位以下入賞(2位から8位まで)はBチームのメンバーが独占した場合、勝利チームは粒揃いで全員入賞したBチームではありません。

たとえAチームのAさん以外がビリから下位を独占したとしても、このレースの勝利チームはAチームです。要は1位を輩出したチームの勝利ということです。ゆえに各チーム、チェスで言うところの「キング」(ロードレースでは「エース」と言います)を活かすような戦術や展開を考えます。

ロードレースは先行する選手を風除けに使うこと(ドラフティング)が認められており(というか重要なテクニック)、上手くドラフティングできれば7,8割程度の力で追随することができるといわれています。

脚を温存させるために、基本的に終盤まで他のメンバーがエースを引っ張っていくわけですが、他のチームが振るい落としにかかったり、トラブルがあったりして、作戦通りに行くとは限りません。また、選手により得意なコースが異なるので(上りに強い、平地に強い、下りに強い、逆風に強い等)どこで、どの選手が頑張るかが勝負の分かれ目となったりします。

これが「チェス」の要素があると言われる所以ですね。個人的には箱根でお馴染みの「駅伝」に性質が似ていると思います。途中どんなに区間賞を取ったとしても、最後に他チームに先行されたら負けですよね。このチーム(エース)のための献身性なんて、我々日本人にぐっと来るポイントだと思います。

どうでしょうか?単にダラダラ自転車で長い距離を走っているわけではないのです。チームスポーツゆえ選手には各々役割が与えられます。個人競技ではあり得ない行動や展開が見られるのも魅力の一つですね。

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エースのためアシストは自分を犠牲にして頑張ります。