「逃げ」戦法が奥深い!!これを知らずにロードレースを見るべからず!!

ロードレースの魅力を下手なりに一所懸命説明しようと頑張ってます😥

さてロードレースには「逃げ」という戦法があります。この逃げがあるおかげでレースの展開が面白くなるのですが、背景が分からないと「単なる目立ちたがり屋」にしか見えませんので、是非とも知ってほしい内容です。

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「逃げ」があるからレースは面白い!

そもそも「逃げ」って?

その名の通りですが、メイン集団(プロトンとも言います)から、単独又は少人数で先行する人若しくはその行動そのものです。自転車は空気抵抗との戦いです。当然大集団で走行してお互いを風除け(ドラフティングと言います)にした方が楽に走行できるのに、わざわざ、先行するのは何故でしょうか🤔

逃げのパターン1

本気で勝ちに行っている。

当たり前😑だと思うかもしれませんが、そうじゃないパターンもあるんです。プロトンにいる選手の方が脚を温存できるため、逃げで先行した選手は、いずれプロトンに追いつかれる(吸収されると言います)ことが多いです。

しかし、プロトンに何らかのアクシデント(集団落車や有力選手のリタイヤ等)があったりすると、吸収されるはずの”逃げ”がそのまま逃げ切ってしまうことがあります。また、逃げが総合優勝に絡まない選手だとタイム差にもよりますが「無理して追いついても仕方ない」ということで敢えて後続が捕まえにいかないこともあります。

単独よりも(少人数であっても)複数人で助け合って逃げた方が、若干ですが、逃げ切れる可能性が高まります。(逃げの集団を「大逃げ協同組合」とか呼んだりもします)また、逃げるタイミングや距離感が絶妙である必要があることから、そういうのが得意な人は「逃げ職人(ほめ言葉)」と呼ばれます。

逃げのパターン2

「何らかのチーム戦術である」

ロードレースは色々と不文律もあるのでヤヤコシイのですが、例えば「逃げ(集団)に選手がいるチームはプロトンで先頭に立たなくても良い」というものがあります。

自分のチームメイトがいる「逃げ」にプロトンが追いつくことは不利益になるので、脚を使って積極的にプロトンに貢献しなくて良いという理屈ですね。逆にいうと、プロトンにいる仲間を休ませるために、逃げに打って出るという戦術も可能なわけです。

その他逃げが許容されるか否か、そしてどの程度(タイム)先行が許されるかは展開次第です。後ろのプロトンに何らかの揺さぶりをかけるために逃げるなんてケースもあります。

逃げのパターン3

「何らかのアピールタイム」

えー!と思うかもしれませんが、本当にあるんです。しかも結構。具体的には総合優勝には絡めないけど、スポンサー企業のために少しでも先頭に立って、ユニフォームの企業名を晒すとか(笑)あと、コースの地元選手がファンサービスのために先行するなんてこともあります。(不文律ですが、こういうファンや家族のためにちょこっと先行する場合は、追わないというものもあります。)

まとめ

逃げがあることで、試合に動きが生まれ、ドラマチックな展開になることもしばしばです。

逃げが許される(後続が追わない)か否かは、展開次第です。残り距離、コース(高低差)、逃げる選手と追う選手の立場など、難しい判断がその場でなされるのも醍醐味の一つ。

一番強い選手が常に勝つという単純なものではないのが、ロードレースの奥が深いところなんです。

特にステージレースという何日間にも渡る本格的なレースでは、総合優勝狙いの選手は明日も明後日も良い成績を収めるため疲労も考慮して慎重に進めたい。一方、総合優勝する実力はないけど一勝だけでももぎ取りたい!という選手もいます。

ツール(ド・フランス)で一勝すれば、一生食っていける!という言葉もあります。ちょっと大げさですが、ビッグレースでの一勝はそれだけ名誉なことです。無名選手の底力が発揮される瞬間もまた、ロードレースの面白い所の一つです。

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有力選手だけじゃなく、全ての選手に勝利の可能性があるんだね!