ロードバイクフレームの素材御三家!!各々の特徴で愛車を選ぼう!!

ロードバイク(のフレーム)には、現在主に三種類の素材が使われています。その素材により、大まかな価格帯が決まってくることは以前お話しました。今回は、各々の素材の特徴を説明していきます😆

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フレーム素材の御三家!各々に特徴があります。

クロモリ

クロモリという呼び方は、ロードバイク乗り以外には馴染みがないかもしれません。他にも”クロモリ鋼”とか”CrMo”とか”スチール”とか呼ばれますが、要は「(メインの合金)」です。

正確に言うと、クロモリじゃないスチールもあるんですが、ややこしくなるんで、これで行きます😅

大きな話になりますが、長い間人類はロードバイクにこの素材を使ってきました。100年以上前からです。

鉄というのは、自転車のみならず、太古の時代から人類が様々な用途に使っており、その丈夫さや加工ノウハウの蓄積から、ロードバイクに用いられるのも自然な流れだったのだと思います。

長所:丈夫さ、補修の容易さ、衝撃吸収性(柔らかい)

色々な素材の中でも全般的に丈夫な素材と言われています。また、仮に凹んだり、折れたり!しても、優秀なフレームビルダー等鉄工技術を有する人であれば、比較的容易に補修や交換ができます。

また、乗り味としては、路面の衝撃をフレーム全体でいなして吸収するような印象があり「マッタリ」とか「まろやか」な乗り味と感じる人も多いです。

短所:重量、デザインの画一性

とにもかくにも重量は重いです。勿論ママチャリ等と比べれば軽いのですが、カーボンバイクと持ち比べると、思わず「重っ!!」と呟いてしまうでしょう(笑)

剛性を維持できるミニマムな重量がほぼ決まっており、カーボンやアルミに比べると重いです。

衝撃吸収性が優れていること(=乗り手のパワーも若干分散してしまうこと)と相まって、俊敏な加速性はあまり期待できません

また、デザインの画一性と書きましたが、これは個人の好みです。寧ろクラシックな感じがして、自分は好感を持ちますし。ただ、素材特性から細いパイプをつなげる構造となるため、基本奇抜なデザインのものは見かけません。

現在トップクラスのレースシーンでは、クロモリバイクを見ることはありません。ローカル大会だと、敢えてクロモリを使って上位に食い込む剛の者をたまに見かけます。自分の貧脚を機材のせいにできないなと思い知らされます😰)

アルミ(ニウム合金)

一般的にアルミと呼ばれますが、少量他の金属も混ざっている合金であり、その種類や割合などで同じアルミでも(性質が変わってくるので)合金番号が変わってきたりします。

1970年代位から研究開発が進んできて、90年代にレースシーンで黄金期を迎えます。(細かいことを言うとチタンやマグネシウムなど色々な金属が試された時代ですが、”Nextクロモリ”として広く採用されたのがアルミです)

長所:軽量さ、反応性(硬い)

全般的に”硬い”素材と言われています。ロードバイクにとって、”硬い”と”柔らかい”は一概に良し悪し言えません。 硬いバイクは踏めば進むという評価をされる一方で、衝撃を吸収しないので疲れる(足に来る)なんて評価をされることもあります。

なお、クロモリに比べると軽量なバイクが多く、乗り味としては「キビキビ」とか「カッチリ」という表現が多いです。

短所:衝撃吸収性、デザインの画一性

硬いことで素直に乗り手の力を推進力に変えてくれる一方で、衝撃吸収性は弱いため、疲れやすいという評価をする人もいます(乗り手次第)。

また、軽量さと剛性と確保するために、特にダウンチューブなどは大径になるので、クロモリとはまた違った形で似たようなデザインになりがちです。

ただ、初期のアルミバイクと比べると、加工技術が高度になっており、必ずしもチューブの断面が丸ではなかったり(おにぎり型と言いますか三角ぽい)、面白いデザインの物もあります。

カーボン

出ました。王者カーボンです😍現在トップクラスのロードレースでは、カーボンバイク使用率ほぼ100%です。

カーボンはご存知のとおり、軍需産業や航空・宇宙分野でも使用されている高機能素材です。ロードレースでは90年代のアルミに取って代わるように2000年代から一般的に使用されており、現時点でもっともロードバイクに向いているとされる素材です。

初期のカーボンは、衝撃吸収性は優れているが柔らかいのでレースに不向きとされていましたが、カーボン素材時代の進化や設計や製造シーンでの試行錯誤と共に、現在の地位を築くに至りました。

長所:軽量さ、反応性、衝撃吸収性、デザインの自由さ

バイクに必要な要素をほぼ全て満たしています。(ただし、使われるカーボンの種類(グレード)や場所、量などで乗り味に差はあります。)

ハイエンドモデルには高弾性なカーボンが用いられ、比較的”硬い”仕上がりになってますが、各社不要な衝撃は吸収し、乗り手のパワーは殺さない”硬軟”を実現するため試行錯誤しており、年々その仕上がり具合は高まっている印象です。

そのためバランスの良いフレームは「キビキビ走るのに疲れない」という、ちょっと反則チックな乗り味を実現させています。カーボンの中でも軽量化されたフレームは、ヒルクライムなどにも最適でしょう。

あと、カーボン繊維を積層させて形づくるので、デザインの自由度が高く、各部の接続部も滑らかで美しいものが多いです。

短所:価格が高い、扱いに注意が必要

性能においては隙がない素材なんですが、強いて言うなら価格は高めです。(ただ、エントリーグレードなら20万円ちょっとで買えるしなー😕)

あと、カーボン(繊維)自体はとても丈夫ですが、実用する上で樹脂で固めて成形されます。ゆえにこの樹脂に万が一ヒビ・傷などが入ると、断裂するリスクはあります。カーボンチューブを締め付ける際には、トルク(締め付け力)指定があったりしますし、取り扱いには少し注意が必要です。

ハードなレースシーンでも多用されており、気をつけていれば大丈夫だとは思いますが、一応これが短所と言えるかもしれませんね。

事実としてカーボンがレースシーンで多用されていることから、カーボン最高!といった印象を持つ人もいるかもしれませんが、自転車を動かすのは”フレーム”ではなく”乗り手(の脚)”です。

実際ローカル大会であれば、カーボンバイク以外で上位に入る人も普通にいます。

そして、何よりクロモリにはクロモリの面白さ、アルミにはアルミの特長もあるので、ロードバイク買うなら絶対カーボン!」ではないということは最後に付け加えます。

もし全日本選手権とか、はたまたツール・ド・フランスに出ることになったら、その時に最新のカーボンバイクを買えば良いのですよ😎是非乗り比べた上で、自分が気に入った素材を購入することをお勧めします。

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クラシックなクロモリは普段使いにおススメだよ。