ナイキ高速(厚底)マラソンシューズを国際陸連が調査!?遂にシューズも規制されるか?
キプチョゲ選手や大迫選手、というか最近の長距離レースの先頭集団が全員使っているナイキの厚底シューズ。
やはりと言うか、規制への検討が始まったようです。
何が問題となっている?
現在の状況は次のとおりです。
以前、私が持っているナイキ厚底シューズの感想をまとめました。
これを履いたからといって、自分がマラソンで大迫選手みたいに走ることはできませんが、従来のシューズとの違いがはっきりと実感できたのは驚きでした。
BBCの記事にもあるように「弾む」ように走ることができます。(確かDr.中松のバネシューズも同じような理屈でしたね?弾むから早いとか…)
もっと言うと従来どちらかだった「反発」と「衝撃吸収」がバランスよく両立している印象です。
このシューズが革新的(一部では既に皮肉を込めてドーピングシューズと呼ばれてます)なあまり、他のシューズを履いている選手が公平ではないと訴えている状況らしいですね。
他のメーカーからシューズの供給を受けていても、自腹でナイキを買って使う選手もいるとかいないとか😅実際最近は表彰台をナイキが独占するのも珍しくないですし、次々と記録が塗り替えられている印象はあります。
規制の是非
難しい問題です。
一昔前の競泳におけるSPEEDO社のレーザー・レーサーに端を発した「高速水着時代(問題)」を思い出します。
これは、男性でもワンピースタイプの体型補正効果(流体力学的に有利)があり、かつ浮力が強力で水への抵抗値が低い素材を使うことにより、従来の記録が大幅に、次々と塗り替えられたため、着用水着について技術的なルールが強化(速過ぎる水着は禁止!)されたものです。
ナイキへの対処も幾つかの可能性がありますね。
規制なし
現状ナイキの独り勝ちですが、数年以内には他のメーカーも同様の製品を出してくるでしょう。実際薄底一辺倒だったメーカーが、最近厚底を試験的?に発売してきています。まだ、ナイキと同様のパフォーマンスには至ってませんが。
例えば、ナイキが核となる技術を公開(しないとは思いますが)して、他のメーカーの技術力が上がれば「不公平な競争」といわれることはないでしょうね。
そもそも、ナイキの製品開発は別に、他のメーカーの邪魔をしたり違法性を伴った物ではないので、ここに規制を掛けるかは難しいところです。
規制あり
とは言っても、事実ナイキのシューズはある種異様な勢いで記録を塗り替えてます。人間の勝負ではなく、シューズ勝負となっていると認定されたら規制もやむを得ないでしょう。
ロードレースだって、水泳だって、ゴルフだって道具には厳しい規制があります。マラソンだけ、何を使っても良いという理由がありませんので。
どういう項目で縛るのかは分かりませんが、反発係数とかで「弾まない」靴限定になるんでしょうか。
シューズを統一
可能性はほぼないですが、もう公式戦は皆でナイキ履こうぜ!というのも一つの方法ではあります。昔のツールなんかも自転車を統一してたんですし。(現代のマラソンでは、まあ無理でしょうけど。)
ケイリンとか競艇とかギャンブル系競技も公平性にうるさいので、道具や機材はある程度統一されてますね。
統一というのは言いすぎとしても、世界戦に出場する選手は、登録されたメーカーのシューズから任意の物を選べるという制度はもう少し現実的かも。
今後の影響
今発売されているシューズが禁止されることはないような気がしますが、規制があった場合、今以上のシューズは開発されなくなる可能性はありますね。
それはそれで寂しい気もしますが、歴史上それでメーカーの開発が終わるかと言うとそうではなく、「反発係数」で規制されたら、「軽量性」とか「グリップ力」とか「足裏サポート力」とか、商魂逞しい開発競争が続いていくと思います。
東京(札幌?)五輪のマラソンの表彰台に上がるのは、どのメーカーのシューズですかね。