低糖質(ダイエット)生活は早死にする?データ(を使う人は)はしばしば嘘をつく。

何か健康・ダイエットブログみたいになってきましたが、(一応主テーマはロードバイク・ランニング・・・😅)低糖質に関する面白い記事(対談形式)を見つけました。

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20191017-OYTET50012/

低糖質生活が減量に有用であることは誰の目にも明らかです。一方で、長期的に大丈夫なの?という心配があることも事実。

この長期的な影響について、低糖質推進派と懸念派の議論が掲載されてます。

 

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どういう議論なんでしょうか?

低糖質は早死にする?

色々な論点がありますし、詳しくはリンク先の記事をご覧あれ。

一番衝撃的な部分(低糖質懸念派)は次の抜粋部分です。

幕内 みんな数名の話ばかりなんですよ。大規模調査が必要です。日本ではまともな調査は一つもありません。実践者があまりにも少ないので。ハーバード大学が、何と13万人も、しかも女性は26年間、男性は20年間、糖質の多い食事と少ない食事を実践して、そのデータを発表しているんです。それによると「糖質が少ない人たちは非常に死亡率が上がる」と。これが多分、最大のデータだと思います。

自分や周りの実践者の体調が良いと言う推進派の医師に対する反論が上記です。

これを見ると、結論としては「やはり低糖質は危ない!」といわざるを得ない。

……

………

となったあなたは少し注意が必要です。詐欺に騙されやすいかも知れませんよ。実はこの主張には不十分なポイントがあるのです。

「低糖質は早死にする」に関する不都合な事実

残念ながら上記対談内では、この部分に対する推進派からの反論はありませんでした。

しかし、この結論は非常に問題のある(少々厳しい言い方をすると”嘘”)主張です。

例の研究というのは多分コレでしょう。というかこれだけの規模の研究はこれしかないはず。

https://annals.org/aim/article-abstract/746013/low-carbohydrate-diets-all-cause-cause-specific-mortality-two-cohort

で日本語で非常に分かりやすく解説してくれているのは↓

https://low-carbo-diet.com/greeting/topic/cancer-and-lcd

ここまで(リンク先)読んで、どういう感想を持ちますか?

「低糖質」が要因ではなく、動物性脂肪とたんぱくの過剰摂取が要因では?

確かに、研究結果では「低糖質」「高糖質」の比較だと、低糖質の方が死亡(ガン等)リスクが高いです。

これをもって、対談の懸念派は低糖質生活の攻撃材料にしています。

しかし、このハーバードの研究は、糖質の代わりに何を摂取したのかというところまで掘り下げています。それによると「動物性脂肪・たんぱく」を摂取する群と「植物性脂肪・たんぱく」を摂取する群で比較したところ、「動物群」は明らかに死亡リスクが上がっています(1.5倍程度。これは喫煙のリスクと同じレベルだそう。)。

しかし「植物群」では、顕著なリスク増加は見られない、というか場合によっては減少すらしているではありませんか!?

つまり死亡リスクが高いのは「低糖質」ではなく、「動物性脂肪・たんぱくの過剰摂取」という話なんです。

たしかに糖質を減らしたから、代わりに肉・チーズ等の動物性脂肪・たんぱくを沢山食べるようになったという意味では関連性は認めますが、今回の議論における主張は風が吹けば桶屋が儲かる」レベルの因果関係でしょう。これをもって「低糖質が危険!」というのはあまりに横暴です。

例えるならば、禁煙をした人が、タバコの代わりに毎日甘いアイスを山ほど食べたとしたら糖尿病になるかもしれません。この結果を受けて「禁煙生活は糖尿病を招くから危険だ!」と主張するようなものです。

(ちなみに対談には、低糖質生活で命の危機に陥ったという女性医師が出てくるのですが、医師とは思えない理論も道理もない主張をしています…「糖質を絶って、肉とチーズばかり食べてたら脳梗塞手前になった。低糖質危険!」。お医者さんにこういうこと言うのも気が引けますが一つアドバイス食事はバランスが重要ですよ😉」)

も一つ言うと、人種(民族)間で消化しやすい食べ物ってのは異なるはずです。

ご先祖様の時代から肉・チーズに慣れているとは言いがたい我々日本人としては、ここら辺も考慮する必要があるでしょうね。(そういう意味で、私は米は量を控えめにはすべきとは思いますが、ゼロにするべきとは考えません。)

低糖質生活のおさらい

勘違いや過大広告に騙されてはいけません。

目指すべき低糖質生活というのは「糖質を過剰に摂取せず、バランスの取れた食事」です。

例えば肉やチーズも勿論摂取してよい食材ですが、誰が毎食食べろって言いましたか?

当ブログは低糖質を推進する(管理人が実験体となりながら)方針を取ってますが、根本に「原始回帰(ゲンシカイキ」という考え方があります。

原始時代に毎日牛肉や豚肉をお腹一杯食べられたと思いますか?んなわけないでしょう。

原始時代=狩猟と採集の時代です。

狩猟=肉・魚、採集=野菜(山菜や木の実)と考える(そして毎日狩猟が成功する訳ではない)と、自ずから目指すべき方針というのは見えてくると思います。

よくある低糖質ダイエットの謳い文句は「糖質以外は何をどれだけ食べても良い!」ですが、これが勘違いを増大させているような気がします。

「糖質は控えめに、それ以外はそこまで控える必要はないが野菜含めてバランスよく!」が原則ではないでしょうか?