新説「軽量化とランニングタイム」1キロ痩せると〇〇速くなる!?
若かりし頃、なんも考えず馬力で走っていたころはあまり意識してませんでしたが「重さ」というのは持久系競技においてとても重要な要素の一つです。
ロードバイクでも「軽量化」というのはサイクリストの永遠のテーマです。(自転車の場合、乗り手ではなく、機材の軽量化が議論されがちですが😅)
今回はランニングの「軽量化」について考察します。ランニングはギア(機材?)の削り代(というか服と靴しかないですから…)が少ないので、必然的に「軽量化=ランナーの減量」ということになります。
この記事は
減量(体重減)がランニングのタイムにどの位影響を与えるのか考察しています。
減量のモチベーションのお供に!
定説「1キロ痩せると、3分短縮!?」
http://hanafusa.info/tennis/Marathon/MarathonEndurance5.htm
上記HPが端的にまとまっているのでリンクを貼らせてもらいます。(基本的には自分の結論と似た結論を出されています。)
ここでも言及がありますが、もの凄くザックリした説としては、福岡大の田中教授の説である1kg減量すると=(フルマラソン)3分速くなるというものがあります。
しかし、これを適用するにはかなり無理が生じるケースがあります。
ケース1 体重がかなり重い段階から減量した場合
確か自分が一番初めにハーフマラソンを走った際は体重85キロ、タイム1時間45分くらいだったと思います。
では85キロの自分が60キロに減量したとしましょう。(1キロ3分はフル前提なので、ハーフだと1キロ1.5分短縮)
105分(1時間45分)ー37.5分(1.5分×25キロ)=67.5分!!
いやいや😂下手すると箱根駅伝出られるで!
もっと言うと、あと2キロちょっと痩せたらハーフ1時間切りです。んなアホな。
85キロから60キロはかなりキツイですけど、私ボクシングやっていた時、60キロ切っていたので、絶対に無理な体重でもないわけです。
で、これ(減量)だけで日本記録レベルが期待できるか?無理です。
ケース2 体重がかなり軽い段階から減量した場合
既にランナーとして理想体重に達している場合も、減量の効果は考えづらいです。
例えば、日本代表大迫選手。身長168㎝体重53キロとのことですが、彼が51キロになったら6分速くなる(=世界記録更新)でしょうか?少なくとも、単純に体重減らした効果としては無理です。(彼が今後世界記録を出せないと言っているわけではありません。)
そうなるなら、彼はやってます。それだけの精神力や能力がある人ですから。
トップ選手達の平均データから「ランナー理想体重(身長ー110~115(175cmの人は65~60キロ))※後述」とすると、これは色々なバランスがギリギリ均衡していると考えられるわけで、この付近からの減量は効果が薄い(下手すると体力がなくなる等のデメリットも考え得る)と考えられます。
新説「体重減少率=タイム短縮率」
自分が色々な計算や見解、自分や周りのデータから出した公式が「体重減少率=タイム短縮率」です。
勿論全てのケースに矛盾なくあてはまるはわけではありません(※特に後述する前提は重要です)が、減量スタート時点の体重やレース(10km、ハーフ、フル、トレラン)に関わらず、想定タイム算出できるという汎用性があります。
具体的に見てみましょう。
85キロの自分はハーフ105分でした。60キロまで減量したとすると
「体重減少率」(60/85)×100=約71%(減少率29%)
105分が29%短縮すると、約75分つまり1時間15分!
かなり速い(速すぎる)ですが、フルだと2時間40分くらいのレベルでしょうか?高レベルの市民ランナーは実際これくらいなので、あり得ないとも言い切れないラインです。(そもそも60キロまで減らせるかって話ですが😅)
お気づきかもしれませんが、「1キロ減らして〇分」ではなく、「現在の体重」「減量後の体重」の割合から算出するので、ある程度重くても軽くても、フィットするはずです。
また、実績値さえあれば、トレランのような一定速度とはならないケースにも適用可能。先ほどの例だと実績値から29%タイムを圧縮してやると、予想(期待)タイムが割り出せます。
公式の大前提
ただし、以下の前提での適用と想定しています。
健康的で計画的な減量であること
はい。要は減量すると速くなるってのは単純に「軽くなる」効果だけではなく、「軽くなるために走った」効果でもあると思うわけです。
例えば、絶食すれば動かなくても痩せます。もっと言うと外科的な(脂肪吸引等)措置により「軽量化」することも可能でしょう。
しかし、これらの「邪道」な軽量化はランニングパフォーマンスの大きな向上にはつながらない可能性があります。健全な方法で減量しましょう。
ランナー理想体重に達したら、以降大きな減量効果は望めない
先ほどの大迫選手の例ではないですが、プロやトップアマチュアのランナーは「身長ー110~115」キロを維持しています。(本来はBMIとか体脂肪率とかも関係すると思いますが、ややこしくなるので省略。彼らの多くは、体脂肪率は10%以下でしょう。)
大迫 傑 選手 168/53 中村 匠吾 選手 172/55 服部 勇馬 選手 176/61
超トップ選手の身長体重。彼らはトップオブトップなので(身長-115)kgですが、これは色々な意味でギリギリでしょう。アマチュアとしては(身長-110)でも十分過ぎるくらいだと思います。
で、ここが最適値。というか、一つの限界なのです。
限界を突破して成果を出す人もいるでしょうが、逆に摂食障害や体力の低下等悪影響が出るケースも多数あります。
ここまで来たら、単純に痩せてどうのというより、いかに良いトレーニングを積めるかがより重要なってくるのだと思います。
まとめ
減量のタイム圧縮効果は「体重減少率=タイム短縮率」と考えられる。
ただし、適切な練習を伴った健康的な減量であることと、理想体重になるまでの話。
あくまで理論値というか想定でしかありませんが「あと5キロ減量すればサブ3かも!」とか「あと10キロ減らしたら入賞目指せる!」という希望をもつだけで大分モチベーションが違ってくると思います。
頑張りましょう!!